妊活のために低温期に豆乳を飲んでいるっていう人が結構いるらしい。
豆乳は美容に良いとか、豆乳が女性ホルモンのバランスに良いとか、たしかに結構聞く。
でも、妊活に豆乳って本当に効くの?
私は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断を受けているのもあって、豆乳を飲んで逆に悪影響にならないか心配になった。
もともと豆乳やお豆腐といった大豆製品が大好きな私。
豆乳を飲んだ方がいいのか?飲まない方がいいのか?調べてみた。
Contents
動物実験:イソフラボンがPCOSを改善した症例あり
豆乳に含まれる成分といえば、大豆イソフラボン。
不妊症への影響はどうだろうか?
2018年の論文で、イソフラボンがラットのPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を改善したという報告があった。
PCOSを発症しているラットを2つのグループに分けて調査したところ、イソフラボンを与えたグループの方でPCOSの症状改善が見られた
大豆たんぱく研究(2018)P.21 岡田晋治「大豆イソフラボンによる多嚢胞性卵巣症候群の予防とその作用機序解明」より
と思いたくなるが、それはちょっと早とちりかもしれない。
イソフラボン過剰摂取に注意!
日本人は日常的な食生活で大豆製品を多く摂っている。
大切なのは、意識しなくても普段からイソフラボンは十分に摂取できているという点だ。
先ほど紹介したラットの論文では、ラットの普段の給餌にイソフラボンはほとんど入っていないだろうから、ラットと私たち日本人を同じ土俵で語るのはちょっと違うように思う。
日本人はもともとイソフラボンの摂取量が十分足りている
妊活情報誌Yell from Partnersにこんな記事があった。
「イソフラボンは補充すべきか?」この記事に書かれていることをまとめてみる。
調査① アメリカでの調査
- アメリカ人女性の調査で、イソフラボンを摂取した方が体外受精・顕微授精の成功率が上がった
- ただし、イソフラボン摂取量は一定の値を超えると、それ以上成功率が上がることはなかった
- 日本人の平均女性はそのイソフラボン摂取量を日頃から摂っている
⇒ 日本人の場合にはイソフラボンによるプラスの効果は期待できない?
調査② 日本での調査
- クロミフェンでタイミング療法を受けている人は、イソフラボンを摂取した方が妊娠率が高かった
- イソフラボンが、クロミフェンによる副作用(子宮内膜の菲薄化、頸管粘液の減少など)を補うはたらきをしたためとみられる
⇒ 目的と作用が明確な場合はイソフラボンが有効なこともある
調査③ 日本での調査
- 体外受精をした人で、イソフラボンを摂取した方が妊娠率が高かった
- 黄体補充目的で医師の処方のもと行われた
⇒ イソフラボンが補充されたのは高温期、しかも120mgや150mgと一般的な摂取上限(70~75mg)を大きく超える多量の処方だった
これをみると一般的な妊活女性が、低温期にイソフラボンをわざわざ積極的に摂る必要ってほとんどないように思う。
それどころか、日常生活でイソフラボンが足りているのに、さらに豆乳やサプリメントを飲んだら過剰摂取になってしまうのでは!?と考えた。
イソフラボンの過剰摂取については、厚生労働省の安全性評価資料や農林水産省のQ&Aに詳しく書かれていて、「過剰摂取は悪影響を及ぼす可能性もあり、1日あたりのイソフラボン摂取量は70~75mg程度にとどめるべき」と設定されている。
日頃からお味噌やお豆腐を食べている方は、あまり豆乳を意識しなくてもいいのかもしれない。
どれくらい豆乳を飲んでもいいの?
では、私のようにもともと豆乳が大好きで、妊活関係なく豆乳を飲みたい場合。
豆乳はどれくらいまでなら飲んでもいいのだろうか?
スタバにいってもよく豆乳に変更するカスタマイズをするし、家でも紅茶に豆乳を入れて飲むのも好き!
キッコーマンの豆乳飲料を例に、イソフラボン量をみてみる。
200mlあたりの栄養素
カロリー | イソフラボン | ||
無調整豆乳 | 113kcal | 58g | |
調整豆乳 | 116kcal | 45g | |
豆乳飲料紅茶 | 123kcal | 25g |
日本人は平均して1日にイソフラボンを15mgほど摂取しているらしい。
キッコーマン製品のイソフラボン含有量を見る限り、1日1杯豆乳を飲むくらいなら摂取上限目安の70~75mgを超えることはなさそう。
豆乳の摂取量は1日1杯(200ml)くらいを目安にしよう!
- 豆乳が豆腐が好きな人は普段どおり食べてOK
- 日本人は普段の生活で十分はイソフラボンを摂取できている
- 摂りすぎはかえって悪影響を及ぼす可能性もあるので注意
妊活のためには、特定の栄養素を摂るだけではなく、いろいろな栄養素をバランスよく食べる習慣が大切。
イソフラボンなど、特定の栄養素にこだわる必要はないのかもしれない。
バランスのよい食生活は、妊活の先にある長い人生のためにもきっとプラスになるね!