生理がなかなか来ないまま不正出血がダラダラ続くことも多い・・・
妊活を始める直前の私の症状だ。
妊活を始めようにも、なかなか生理周期が安定しなかった私。
とても妊娠できる気がしなかった。
妊娠希望だった私は、時間だけが経つのが不安になり、27歳のとき結婚後まだ2ヶ月だったけど不妊治療を行っている産婦人科を訪れた。
そこで「多嚢胞性卵巣症候群」と診断を受けた。
本記事では、私の特徴を例としてPCOSの症状を解説していく。
Contents
PCOSとは?
PCOSとは、Poly-Cystic Ovarian Syndromeの略。「ピーコス」や「ピーシーオーエス」と読む。
日本語にすると多嚢胞性卵巣症候群。
女性の体の中では、毎月、以下のようなサイクルで生理が起こる。
- ひとつの卵胞が成熟する(卵胞期)
- 排卵する(排卵期)
- 着床を待つ(黄体期)
- 妊娠しないと生理が起こる(月経期)
しかし、PCOSでは①の卵胞期に異常が起こる。
通常のサイクルではいくつもある卵胞の中から最終的にひとつの卵胞が成熟するのに対して、PCOSでは複数の、時には10個以上の卵胞が同時に成長してしまう。
同時にいくつもの卵胞が成長すると、成熟する卵胞が定まらず、排卵に至らない。
なかなか排卵しないと、当然生理も来ない。これがPCOSの症状となる。
「生理周期が長い」「無排卵月経がある」というのがPCOSの主な特徴のひとつ。
PCOSと診断される要件

医師が患者をPCOSだと診断するためには3つの要件全てに当てはまる必要がある。
- 月経異常(生理不順や無月経)
- 多嚢胞性卵巣
- ホルモン値異常(FSH正常かつ男性ホルモン高値 または FSH正常かつLH高値)
検査の結果、すぐにPCOSと診断された。
① 月経異常(生理不順や無月経)
私の生理不順歴は長い。
生理周期が38日以上の場合「稀発月経」という生理不順に分類されるが、私は昔から生理周期38日以上はあたりまえ。
高校生の頃の生理周期は40~45日。
大学生の頃はもっと長くなって45~50日。
当時も周期が長いことを心配して産婦人科にかかったことがあったが、
と言われていたので特に何もしてこなかった。
そして、社会人になった22歳頃から生理周期がさらに伸び始め、50~60日、時には2ヶ月以上たっても生理が来ない日が続いた。
生理が来ないため婦人科を受診すると中容量ピルを処方され、薬で生理を起こすことが多かった。
数年間低容量ピルを継続して飲んだ期間もあったが、ピルをやめる度に毎回「生理がなかなか来ない」状態に戻った。
27歳の時に初めてPCOSと診断されたわけだが、昔から生理周期が長かったことを考えると当時からPCOSの傾向はあったのかもしれない。
② 多嚢胞性卵巣
卵巣をエコー検査で見ているとわかる。
卵巣の中に、小さな卵胞がたくさんある所見のこと。
具体的には片方の卵巣で9mm以下の小卵胞が10個以上あることが基準とされている。
これは診断された時のエコーではないのだけど、こんな風にごちゃごちゃっと小さな黒い丸っこいのがいっぱい見えるのが多嚢胞性卵巣の所見だ。
育っていない小さな卵胞がたくさんあるということ。

卵巣をぐるりと一周するように見えるので、真珠のネックレスみたい!ということで「ネックレスサイン」と呼んでいるらしい。
こんなネックレス、いらん!!
③ ホルモン値異常
「FSH正常かつ男性ホルモン高値」または「FSH正常かつLH高値」のどちらかに該当する場合。
日本では「FSH正常かつLH高値」の方が多いらしい。
私の検査結果はこちら。
私の検査結果 | 正常値(月経期) | |
FSH | 8.2mIU/ml | 3.5~10mIU/ml |
LH | 11.1mIU/ml | <7mIU/ml |
FSHは正常範囲内だけど、LHは正常値を超えている。
特にPCOSの診断では、LH>FSHとなっていることがポイントらしい。
FSHは卵胞を育てるように指示するホルモン、LHは卵胞が育った後に排卵するように指示を出すホルモンだ。LHの方が高いということは卵胞を育てる指示が正常に出せていないということかな?
なお、LH異常ではなく、男性ホルモン高値の場合は多毛とかニキビとかの所見も多いそうだけど、それは日本の症例では少ないらしい。
PCOSと診断された私の基礎体温例
生理周期が長い。というか生理が来ない・・・と悩まされていた頃の基礎体温はこんな感じだった。

私は高温期になると36.6℃を超えるのだけど、自然に排卵が起こって高温期に入ることは稀。
ダラダラと排卵がないまま低温期が続く。
この周期は不正出血が続いていて、エコー検査をするとやはりネックレスサイン。
排卵の兆候はみられず、中容量ピルのプラノバールを飲んで生理を起こすことになった。
PCOSは妊娠できないの?

PCOSを治したい!と思っても、残念ながら現在のところ根本的な治療法はないようだ。
婦人科の先生には、
妊娠を希望する場合には排卵を促す治療をしますが、妊娠希望でない場合なら生理不順の治療としてピルなどを処方します。
要するに対症療法だ。
根治はしない。
排卵誘発剤でも排卵できない重度の場合は腹腔鏡手術(ラパロ)が選択される場合もあるそうだが、これも半年から1年経つと元の状態に戻ってしまうことが多いらしく、完全に治す方法とはいえない。
薬でも手術でも治せないなんて、と途方に暮れかけていた。
でもPCOSは排卵さえ起こせれば妊娠できると言われている。
PCOSだからといって悲観する必要はなし!
まずは専門病院でしっかりと検査をして、必要な治療を受けて妊活を進めていきましょう!
