うちのマイクロティーカップトイプードルのハナ。
ちょうど1歳になる頃、右足を上げて歩いている仕草を発見し、動物病院で診察してもらった。
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診断は膝蓋骨脱臼グレード3:手術の勧め
症状の出方はその仔によって様々で、グレードが低くても症状が出る仔もいれば、グレードが高くても症状も痛そうな素振りがない仔もいます。
グレードは4段階に分かれており、必要な治療をしなかったり、激しい運動をしてしまうと、悪化することもある。
グレード1 | 膝蓋骨は正常な位置にあるが、力を加えると外れる |
グレード2 | 膝蓋骨は正常な位置にあるが、外れやすくなっている |
グレード3 | 膝蓋骨が外れており、力を加えると正常な位置に戻すことができる |
グレード4 | 膝蓋骨が外れており、力を加えても正常な位置に戻すことができない |
膝蓋骨脱臼のおもな症状
- 片足を上げて歩いている
- 伸びをするとき片足だけ伸ばしている
- 片方だけ筋肉が萎縮して太ももが細い
- 痛そうな様子がある
治療方法には、安静を気をつける保存療法と、外科手術をして直す方法がある。
手術適応の適応条件は、
- グレード3以上
または
- グレード2かつ症状がある
のいずれかに当てはまる場合とのこと
うちのトイプードル・ハナはグレード3との診断なので、手術の適応ということになる。
ただ、症状があると言っても、その症状がみられるのはときどき、月に1回くらいのペースで、それ以外のときは元気いっぱい走ったり、ジャンプしたりしていた。
ただ、さりげなく脱臼している右足をかばっているようで、左右の太ももを触ってみると太さが全然違っていた。走る時もジャンプする時も、右足はほとんど使っていないのかもしれない。
左右の太ももをメジャーで測ってみると、やはり右の方が細かった。
右の方が筋肉が付いていないのが明らか。
左太もも | 10.7cm |
右太もも | 9.2cm |

手術となるとやはり抵抗感も大きい。
普段はあまりにも元気な様子のハナを見ていると
とも考えてしまう。
獣医師としてはできれば手術をお勧めします。
もちろん、手術せずに様子を見るというのも選択肢の一つです。
膝蓋骨脱臼手術のメリット・デメリット

手術を受けるかどうか、非常に迷い、獣医にリスクとベネフィットに関して詳しく説明を受けた。
メリット | デメリット | |
手術を受ける場合 |
・膝蓋骨の位置が治る |
・手術をしても再発するケースがある(10%前後) |
手術しない場合 |
・手術のリスクがない |
・膝をうまく使えないことで膝周りが拘縮したり筋肉が萎縮して、歩けなくなることもある |
悩んだ結果、
将来のことを考えて、膝を正しい位置に戻した方がよい
手術をするなら若いうちの方がよい
加入しているペット保険は膝蓋骨脱臼も適応だった
ということで、手術をお願いした。
パテラ手術:1週間の入院

手術当日、朝食を抜いた状態でハナを先生に預ける。
パテラ手術の概要
パテラの手術に関して、医師から具体的な説明を受けた。
手術プロセスは4つのステップ
所要時間:1時間程度
- 膝の骨の溝を深くして、お皿をはまりやすくする
- 膝の周りの筋肉にハサミを入れて、テンションのかかり方を調整する
- 靭帯の向きを正常に戻し、ピンで埋め込んで固定する
- 膝周りを覆っている膜も切り抜いて縫合する
なんだか説明が難しくて全部は理解できなかった。
難しそうな手術だけど、先生、よろしくお願いします!!
手術が終わり、3時間くらい経った頃に報告の電話があった。
術後は安定しており、意識も戻っています。
退院は早ければ4日後、長引けば7日後頃を予定しています。経過を見て決めさせていただきます。
手術成功で一安心!!
退院は術後5日目
水曜日に手術をして、日曜日の退院となった。
1週間くらいの入院かと思っていたので、早まった形となり、ちょっとうれしかった。
ただ、早めた分、傷口は痛々しそうで、本人もまだ痛みがあるのかあまり元気がなかった。
傷口を舐めないようにしているエリザベスカラーがいやそう。

退院1週間後に抜糸
退院当日は元気がなかったものの、翌日、翌々日と立つにつれて、歩く量も増え、だんだん走ったりジャンプしようとするそぶりを見せ始めた。
退院5日目頃には、ジャンプをし出していた。
ジャンプしないように止める方が大変。
おもちゃにも興味を示し、遊ぶの大好きな元のハナに戻っていった。
痛々しかった傷口も徐々にきれいになっていき、退院から8日後に抜糸のため通院を予約。
・・・の予定が、抜糸の前日の朝、夜中のうちにエリザベスカラーが外れてしまっていたようで、傷口をなめまわしてしまうという事件発生!!!
しかも、5箇所ほどあった縫い糸を3箇所も噛みちぎってしまった様子・・・
やってしまった・・・
病院に電話すると
ちぎってしまった糸も、飲み込んでいたとしても細いものなので、便と一緒に出てくるでしょう。
残っている糸は予定通り明日抜糸しましょう。
明日まではエリザベスカラーは外さないように気をつけてください。
・・・とりあえず一安心。
翌日、病院で抜糸をしてもらい、経過は順調とのこと。
傷口はもうすっかりふさがっていて、治癒力の高さにも感動!!

抜糸を終えるとエリザベスカラーを外す許可も出た。
抜糸後3~4日たてばシャンプーもOKとのことで、エリザベスカラーでボサボサになった毛も整えてもらい、ハッピー!!
右足付いてこんなに元気いっぱいに戻った!!

まだ右足をかばう癖は残っているかもしれないけど、徐々に右足を上手に使えるようになって、筋肉の左右差もなくなっていったらいいな。(また半年後くらいに測ってみよう)
2ヶ月は安静を気をつける
術後の再発のほとんどは術後1~2ヶ月で起こるとのことで、この期間はできるだけ激しい運動は控え、安静を保つように指示された。
放っておくとジャンプしたりアクロバティックな動きをしたりするので、目が離せない!
でも、手術したのにここまで元気になっていると嬉しくも感じる飼い主心でもある。
また、術後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、半年、1年のタイミングで定期検診のために通院するように言われた。
手術費用は約50万円
手術料 右膝蓋骨脱臼整復術 | 188,000円 |
入院 4泊5日 | 20,250円 |
麻酔料 | 22,000円 |
留置処置 | 3,000円 |
採血料2回 | 2,000円 |
血液検査2回 | 25,960円 |
術前血液検査 | 3,000円 |
レントゲン検査 | 18,000円 |
手術消耗品 | 13,784円 |
術部消毒4回 | 1,200円 |
包帯法 | 5,000円 |
包帯巻き直し2回 | 6,000円 |
入院管理費 | 2,476円 |
培養検査 | 8,000円 |
治療 静脈点滴 | 10,700円 |
治療 静脈点滴 | 13,390円 |
治療 皮下点滴 | 5,200円 |
ペインコントロール | 6,000円 |
処方料 | 500円 |
内服 ウルソ錠 | 1,120円 |
内服 ビクタス | 1,000円 |
内服 トコフェノール | 750円 |
内服 メタカムシロップ | 2,500円 |
内服 ファモチジン | 2,000円 |
アニマルネッカー | 1,600円 |
合計 | 417,131円 |
手術時に支払ったのは約42万円。
この後、抜糸や術後レントゲン検査でも必要になるので、総治療額は50万円くらいになりそう。
ハナ、元気で長生きしてね!
手術後の経過
パテラの手術をして1年。
また太もも周りを計測してみた。

手術前は左が太く、右が細かったけど、左右の太もも周りがほとんど同じ数値になった!
手術前 | 手術1年後 | |
左太もも | 10.7cm | 10.4cm |
右太もも | 9.2cm | 10.6cm |
右の太ももは+1.4cmもアップ!
しっかり筋肉がついたみたい。
左は若干痩せた?誤差の範囲かな?それとも、手術前は右が使えない分、左に余計な負荷がかかって、太くなっていたのかもしれない。
手術を受けてよかった!!